20.12.09

EU大統領の俳句の師匠

とんでもなく偉い人にお会いしてきました。

今をときめく、EU大統領に就任した、前ベルギー首相の、ヴァン・ロンプイ氏(以前はロンパイと書いたがプイの方が近いらしい)は、俳句を詠む事で知られていますが、ロンプイ氏はどこで俳句(HAIKU)を習ったんだ?と、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

ロンプイ氏は十数年前に知り合った、ベルギー俳句界の第一人者バルト・メゾッテン氏(Bart Mesotten)から、俳句を習ったという事である。

そのメゾッテン氏は、なんとKatrienの父親の友人だったのです。

1ヵ月ほど前から、アポイントを取っていて、今日やっと面会が実現しました。

氏は、友人として僕ら二人を自室に迎えてくれて、コーヒーやクッキー、ババロアなどでおもてなししてくれた。

Katrienに「あなたは、小さい頃、よく私の膝の上に乗って遊んでいたんだよ」と、言った。

IMG_5739

まず、両親の事、家族の事など近況報告から始まり、メゾッテン氏の近況なども聞いて、ヴァン・ロンプイ氏との友人付き合いの話など、・・・・・・もちろんオランダ語なので、僕には聞き取れない、残念。

ヴァン・ロンプイ氏が、この部屋を訪れた時の写真など、アルバムも見せてくれた。

「写真を撮ってもいいですか?」聞くと、「どうぞ、どうぞ」と気さくな方で、86歳という年齢で、現役の言語学者で詩人、もとは教育者であり、神父でもあった。IMG_5742 僕が大きな柱時計に関心を示すと、すぐに話をそっちの方へ向けてくれて「これは1600年代の時計ですが、今でも時を刻んでいます。一週間に1回、重りを巻き上げるだけでずっと動き続けますよ」と説明してくれた。

(昔の時計はゼンマイじゃなくて、重りを巻き上げて、その重力で振り子を動かしているのである)

ちゃんと、時報の鐘も鳴るが、付いている月齢表示や、日付機能は壊れていた。

氏は、言語学者であり、教育関係ラジオのパーソナリティーもやっていたという事で、オランダ語の発音もはっきりしていて、聴き取りの勉強になりました。

IMG_5744 氏のオフィスには、立派なディスクがあり、コンピューター一式、インターネットも使いこなして、今でも本の執筆活動を続けていらっしゃる。

「普段は、一日中PC画面の前にいるよ」と、平気で86歳の学者はおっしゃるのである。

書斎に並べられた、俳句に関する書籍、英語で出版されたもの、フランス語、オランダ語で出版されたもの、おそらく全て揃っているのではないだろうか?IMG_5746 そして、氏の執筆した書籍の数々(の一部)、もう40年以上も俳句の本を執筆し続けているから、相当な量になっている。IMG_5750これは本棚ではなく、彼の本棚の写真に彼の句をプリントして、友人からプレゼントされたのだそうだ。

その句は「私は生き続ける この本たちの背中に 私の名があるから」と言うような意味だった。 IMG_5751 彼の句を気に入った人から、こういう形でプレゼントされる事が多いのだそうだ。IMG_5752 こんな感じとか、IMG_5753 こんな感じで、なかなかセンスもよろしい。

コーヒーも2杯飲みほして、本題の話もそろそろ峠を越えた所で、メゾッテン氏は「アルコールでもいかがですか?いいのがありますよ!」と聞くので、僕が、すかさず「Ja,graag!」(ヤァ、ヒラーヒ!=はい、よろこんで)答えると、「お、突然オランダ語が上手になったじゃないか、あなたは冗談がうまいね」なんて、場を和ませてくれた。

出されたアルコールは、ベルギーの、とある小さな村の特産(その村に行かないと買えないらしい)ジェネバー(ジン)アルコール度数50℃という強烈な奴、シングルグラスになみなみと注いで、氏も一緒に、ちびちびと飲んだ。

IMG_5755 ヴァン・ロンプイ氏が座った椅子。

ここに座った時は、まだベルギーの首相でもなかったが・・・。

出世する椅子とでもいいましょうか…、ああ、僕も座っておけばよかったなぁ、ちょっと後悔。IMG_5776

3時間あまりお邪魔して、帰り際、玄関から出たら、薄暗くなった青空に三日月が・・・。

句を詠む心境になりました。

「 寒空に  心温む  おもてなし 」

お粗末!

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